当科では、失明につながるあらゆる眼疾患の診療を幅広く行っています。
現在わが国で失明原因の第1位である緑内障に対し、多種類の手術方法や薬物治療を取り入れ、患者さんの病状に最適な手術方法を選択し、可能な限り視機能を維持できるよう取り組んでいます。
特色:マイクロフックを用いた低侵襲眼内線維柱帯切開術や難治性緑内障に対するチューブシャント手術などの最新緑内障手術を積極的に取り入れています。特に、低侵襲緑内障手術を取り入れることにより、初期から中期の緑内障患者さんに対しても、早期から手術介入がしやすくなり、緑内障の進行を出来るだけ早期から抑制することが出来ます。
糖尿病網膜症、黄斑疾患(網膜前膜や黄斑円孔)、網膜剥離などに対するワイドビュー眼底観察システムを併用した小切開硝子体手術により早期視機能の回復に努めています。また、薬物治療においては、ステロイドや抗血管内皮増殖因子抗体の眼局所注射治療により、これまでレーザー治療や硝子体手術を行っても視力改善が得られにくかった網膜血管閉塞疾患や加齢黄斑変性に対しても、良好な治療成績が得られるようになっています。
加齢性白内障に加え、続発性(外傷や炎症)白内障、水晶体脱臼、眼内レンズ脱臼などの難症例に対しても対応しています。また、必要な方にはトーリック(乱視矯正)眼内レンズ等を用いて術後の視機能の質の向上に努めています。
斜視・弱視の小児患者さんには、従来の弱視訓練法に加えオクルパッド®を導入し、片眼遮閉を行わない両眼開放(両眼視)下での弱視訓練を行うなど、従来の訓練方法に加え新しい治療法を取り入れ、より効果的な治療効果が得られるようになっています。
日本眼科学会専門医1名と大学応援医師で外来診療および手術を行っています。対象疾患は、緑内障、網膜硝子体疾患(糖尿病網膜症、網膜剥離、加齢黄斑変性、網膜静脈閉塞、黄斑円孔、網膜前膜など)、白内障、斜視・弱視、ぶどう膜炎、角膜疾患などです。また、視能訓練士2名で外来での視機能検査および弱視訓練を行っています。
金島 千紘